常滑、知多、武豊、阿久比、東海、東浦など、知多半島の相続、遺⾔、成年後⾒制度といえは司法書⼠法人しょうむら法務事務所へ

相続・遺言のご相談をいただく際に、「相続の話って、誰に相談すればよいのかわからなかった!」とか「こんな話を司法書士に相談して大丈夫なのかしら?」というお話をいただくことがあります。確かに相続相談を掲げている窓口はたくさんあります。逆に窓口がたくさんあるがゆえに、どの専門家にどの相談をすればよいか、一般の方々にはわかりずらくなっている部分もあると思います。私は以下の理由で相続・遺言の話を最初に相談するのは司法書士をおすすめしております。

  1. 法律(相続・遺言・後見・家族信託等)の専門家だから

司法書士は「暮らしに役立つ法律家」として日々業務を行っていますので、相続発生後に必要な不動産登記や遺産継承業務だけでなく、相続発生前の生前対策としての遺言書の作成や家族信託(民事信託)の利用などについてもお役に立つことができます。また司法書士は、2000年4月1日に新しい成年後見制度が導入された際に「公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート」をいち早く設立するなど、成年後見分野においてもたくさんの支援を行っています。実際親族以外の第三者後見人の中で司法書士は、一番多く家庭裁判所より選任をされており、後見分野の専門家としての地位を確立しています。このように、認知症などにより判断能力が減衰してくるような場面でも司法書士の専門性が十分に発揮されます。したがって、相続発生前、認知症対策に有効な財産管理の方法から相続発生後の各種手続まで幅広くご相談いただくことが可能です。

  1. 不動産実務を把握しているから

司法書士の仕事として一番知られているのが不動産登記です。不動産の贈与や売買等を行う際には、不動産の名義を変更する手続が必要となります。実際司法書士は多くの不動産取引に立ち会い、数多くの 不動産登記実績を持っています。また不動産の所有者が亡くなった場合には不動産の名義人を変更する手続が必要となりますので、相続による所有者変更の登記申請も行っております。国税庁の発表によると、平成29年に相続税の申告がされた相続において相続財産の金額のうち不動産の占める割合は41.9%となっています(20年以上前は75%を超えていました)。このことからもわかるように、相続を語るうえで不動産に関する知識は必要不可欠なのです。

  1. 全体の流れを意識した解決方法を提案できるから

相続発生後に必要な手続の中には、期限が定められている手続があります。期限ある手続の中でも重要な手続が相続放棄と相続税申告です。相続放棄は3か月、相続税申告は10か月以内に行わなければなりません。相続放棄を怠ってしまうと相続をしなければならず、借金が多い場合や不要な財産が多い場合、又は財産が不明で相続するのが不安なケースでは、迅速な決断と手続きが必要となります。なお、3か月という期間は、死後の手続きをしていると、あっという間に経過してしまうため、専門家とともに財産調査等を迅速かつ正確に行うことをおすすめします。

また、相続税申告は期限内に申告及び納税が必要です。期限を過ぎてしまうと、ペナルティを課せられたり相続税の優遇措置の適用を受けられなくなってしまいます。よって、相続税申告が必要な場合には、10か月以内に遺産分割協議を終え納税まで行うことが最優先されるのです。なお、相続税を納める必要がある場合でも、相続財産のほとんどが不動産で現預金が少ない場合には、納税資金を捻出するために、相続税申告に間に合うように不動産を売却して現金化する必要があります。この場合、売却手続きの前提として相続登記が必要となり、この手続きの迅速さが肝となります。ここで書類の不足や不備があり、財産調査及び相続人調査が間違っていると、不動産の名義変更をすることができなくなってしまいます。

そうなると、相続人全員から書類を再度取得してもらったり、署名捺印をしてもらう必要が出てきてしまい、登記手続が遅れたり、相続人同士の関係性によっては、再度の捺印を拒否されることも考えられます。

司法書士は、相続の依頼を受ければ、遺産分割協議書を作成したり、司法書士の職権で戸籍等の書類の取得を代行することもできますので、迅速かつ正確な相続手続を行うことが出来ます。したがって、一番初めに司法書士に相談することで、相続放棄の判断は勿論のこと、相続する場合も効率よく書類を集めたり、法的に間違いのない書類を作成することができ、後悔のない相続手続きを行うことができます。

  1. 本当に相続に強い専門家とのネットワークがあるから

司法書士がお客様から相続登記のご依頼をいただくケースは大きく2つに分けることができます。1つ目は「お客様から直接のご依頼」です。例えばインターネットを検索して選んだ司法書士にお客様が直接連絡をしてご依頼をいただくような場合です。2つ目は「ご紹介」です。相続した不動産の売却を担当する不動産業者さんや相続税申告の依頼を受けた税理士さん等から相続登記をご紹介していただく場合です。そうすると相続案件をたくさんご紹介してくれる不動産業者さんや税理士さん、すなわち相続案件を数多く取り扱っている不動産業者さんや税理士さんが誰なのかが必然的にわかるようになるのです。

さらにご紹介いただくと、ご紹介元の不動産業者さんや税理士さんがどんなお仕事をされているかも何となく見えてきてしまうので、本当に相続に強い専門家は誰なのか、お客様目線でお仕事をされている専門家が誰なのかということが司法書士にはわかってしまうのです。

つまり司法書士に一番最初に相談していただければ、本当に相続に強い各分野の専門家をご紹介することができるのです。

  1. 相続以外に販売したい本命商品がないから

近年相続相談を受けれられる場所が増えてきているようです。銀行、不動産業者、保険代理店などでも相続相談会が開催されています。おそらく相談の担当者は親身に話を聞いてくれるものと思います。ただし気を付けないといけないのが、そもそも何のために無料相談をしているかという点です。それは自社の宣伝がしたいからです。もっと言ってしまうと自社の商品(本命商品)を買ってほしいからです。これはビジネスをしている企業からすれば当然のことだと思います。

たとえば銀行がやっている相談会で相続の相談をした場合、本当は不動産を購入するような相続対策を行うのがベストな場合でも、自社(銀行)の商品の話を全くしないということは考えにくいのではないでしょうか。悪く言うつもりはまったくないですし、さまざまな会社の相続相談を受ければ、それぞれの会社の相続商品のメリットやデメリットがわかってよいと思いますが、予備知識なしに相談を受けて即決してしまうというのは、やはりリスクがあるのではないでしょうか。一方司法書士であれば、相続の手続きの中で必ず報酬をいただけけるような手続きがありますし、他に販売したい本命商品があるというわけでもありません。そういう意味で司法書士は、公正中立な第三者の視点から相談者にベストな解決方法を提案することができます。また司法書士のネットワークを使って解決方法ごとに本当にその分野に強い相続の専門家をご紹介することもできるのです。

遺産継承とは?

被相続人(亡くなられた方)の相続財産に応じて、本来相続人の皆様が各担当窓口にて行わなければならない下記のようなお手続きを、相続人の皆様に代わって当事務所がすべて一括サポートをさせていただき、被相続人の遺産を相続人の皆様へ承継させることをいいます。

■市役所での手続き
■相続人調査(相続人の戸籍収集)
■財産調査(各金融機関の残高証明書取得)
■遺産分割協議書作成
■相続関係図作成
■財産目録作成
■預貯金の払い戻し
■株等の有価証券の移管手続き
■不動産の名義変更(相続登記)
■保険の手続き

<以下の手続きのコーディネートも行います>

■相続税の申告
■年金手続き
■相続後の不動産の売却サポート
■空き家の解体作業
■空き家の遺品整理

当事務所にご依頼をいただくことで、各担当窓口での書類記載や必要書類の事前収集、対面や郵送等のやりとりも不要となり、平日に沢山のお時間を使うこともありません。また相続手続き時に多くの窓口で提出が必要となる「遺産分割協議書」の作成もさせていただきます。そしてすべてのお手続き完了後に相続人間において預貯金の分配が発生するようなケースでは、相続人の皆様に滞りなく現金が分配されるよう、一括サポートさせていただきます。

相続手続きが複雑でお困りの方や、お仕事が忙しくて平日の日中に時間が取れない方はもちろん、後々相続人間で揉めることがないようにしたい方にも当事務所が相続人の皆様の架け橋となって手続きを行う遺産承継業務をオススメしております。

なお遺産相続後のトラブルとしてよくあるケースは、相続人が複数いる場合に、ある一人の相続人が、相続人を代表して単独で行った手続きです。相続人が複数いる場合には、すべての相続手続きをある一人の相続人が代表して行う方が手続き漏れを防ぐ観点からも、後に他の相続人に現金の分配を行うような場合においても合理的ではあります。しかしこのようなケースでは、その代表相続人が手続きの最中に自分の利益や都合が良いように遺産の隠ぺいをしてしまったり、本来であれば相続財産となり得るものを自己の財産として使い込んでしまうといった事が起こり得る可能性があります。

このような場合、担当窓口である金融機関などは、代表相続人に対しての相続手続きが滞りなく完了している以上その後の相続人間でのトラブルに関しては一切責任を負ってはくれないため、当事者同士で対処するしかありません。このようなトラブルを防ぐためにも、当事務所へご依頼をいただくことで、国家資格者が相続人間や代表相続人と手続き担当窓口との架け橋となり、適正かつ円滑な方法にて相続人の皆様に遺産を承継するためのお手伝いをさせていただきます。

相続登記について

相続登記とは?

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に不動産の名義を相続人に変更する手続きです。法務局に相続登記の申請をすることで、不動産の名義人が亡くなった方から相続人に変わります。司法書士として業務に携わる中で相続登記についてのご質問をお受けすることがよくあり、お客様が疑問に思われていることの中で特に多いのは次の5つです。

  1. そもそも相続登記はしなければいけないの?
  2. 司法書士に依頼せず自分でできないの?
  3. 誰が不動産を相続するのがいいの?
  4. 相続登記にはどのような書類が必要なの?
  5. 相続登記をすると費用はどのぐらいかかるの?
  1. そもそも相続登記はしなければいけないの?

結論から申し上げますと相続登記について現在は義務ではなく、登記を怠っていたとしても罰則などはありません。相続税の申告に「相続開始後10ヶ月以内」という期限があることとよく混同されるのですが、相続登記には期限は定められていないのです。しかしだからといって登記をしないでいると次のようなデメリットがあります。なお、令和6年をめどに土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務化されることが決まっています。

■相続登記放置のデメリット

相続登記を怠っていた場合に起こりうる事態のひとつに「いざ登記をしたいときに登記ができない」ということが最近よく見受けられます。たとえば相続登記をしていない不動産について「買いたい」という人が現れた場合、相続登記をしないと不動産は売れません。しかしこのときに、相続人の一人が認知症になり判断能力がなくなってしまっている場合には、家庭裁判所で成年後見人を選任する手続きをしない限り有効な遺産分割協議ができず相続登記ができません。成年後見人の選任には時間がかかりますし費用もかかります。また相続人の気が変わったり、相続人同士の関係が疎遠になっていたり、子どもやその配偶者など当事者以外の方が話し合いに参加するようになり、「やっぱり遺産の取り分を増やしてもらわないと遺産分割協議書に印鑑を押さない」などと言い出すことも最近手続きに携わる中でよく耳にします。そのほか相続人が海外に行って連絡が取りにくくなったり、行方不明になってまったく連絡がとれなくなっているケースもないとは言えません。

以上のように相続登記を怠っていると、「いざ登記をしたいときに登記ができない」ということになってしまう場合があります。このほか相続登記をしないうちに二次相続、三次相続が起こり、相続人の範囲が拡大していってしまうということも考えられます。遺産分割協議は相続人全員で行わなければなりませんので、相続人の範囲が拡大していけばいくほど、話し合いが難しくなり、手間も専門家の費用も相続発生時に行うのと比べて非常に大きくなってしまうこともあり得るのです。

相続登記を放置すると上記のようなデメリットがありますので、相続人間で話し合いがまとまっている場合は速やかに相続登記をしておかれることをおすすめします。

  1. 司法書士に依頼せず自分でできないの?

結論から申し上げますとご自身で行うことは可能です。司法書士はあくまでお客様からの委任を受けた代理人として手続きを行っております。弁護士の裁判手続きも税理士の相続税申告手続きも同様です。委任しない場合はご自身で手続きをすることとなります。

ただ相続登記と一口に言っても、相続人の数や相続の仕方、法務局に提出する添付書類に関してさまざまな違いがあり、手続きの難しさも異なります。インターネットや参考書で解決するシンプルな内容の場合か、あるいは平日に法務局に何度も足を運べる方はぜひチャレンジしてみていただきたいですが、下記にご案内するケースは非常に手間がかかる相続登記となりますので、専門家に依頼することを検討した方が得策です。

■兄弟や甥姪(おいめい)が相続人

亡くなった方にお子様がおられず、ご両親も亡くなっているような場合、亡くなった方の兄弟や甥姪が相続人となります。そしてこのような場合には、親や兄弟などの戸籍についても出生から死亡までさかのぼって取得しなければならないことが多いため、非常に膨大な戸籍を集めることになります。戸籍集めは慣れていない方にとっては大変な手続きとなりますので、亡くなった方の兄弟や甥姪が相続人となり、戸籍が大量に必要となる場合の相続登記は専門家に依頼された方がよいでしょう。

■相続関係が複雑な場合

誰が相続人となるのかがわかりにくいケースがあります。たとえば相続人にさらに相続が発生しているような場合(代襲相続や数次相続の場合)です。誰が法定相続人となるのかの判断を間違えると、間違った相続人間でされた遺産分割協議は無効となるため、申請した相続登記を取り下げて遺産分割協議書を作り直し、改めて相続人との段取りを組み、再度相続登記のやり直しをする必要が出てくることもあります。相続関係が複雑な相続登記は専門家に相談されたほうがよいでしょう。

■法務局が遠方である場合

相続登記の申請は不動産所在地を管轄する法務局に対して行う必要がありますので、不動産が遠方にあれば法務局も遠方になります。登記申請は郵送でも行うことができるため遠方の法務局に相続登記を申請することができないわけではありませんが、申請書や添付書類に誤りや不備があると大変です。登記申請書の誤りの訂正は原則として法務局の窓口に行き、登記官の指示にしたがってする必要があるためです。遠方の法務局まで行って申請書の補正をするのは大変ですので、法務局が遠方となる場合には専門家に依頼されたほうがよいでしょう。

■登記完了を急ぐ場合

相続登記が完了した後、不動産を売却する予定がある場合などは登記の完了を遅らせるわけにはいきません。申請書や添付書類に誤りがあり相続登記の完了が遅れると、不動産売却の決済の日程がずれてしまい、買主に迷惑がかかることになるためです。相続登記を期限までに確実に完了させる必要がある場合には専門家に依頼される方がよいでしょう。

■被相続人の住民票が発行されない場合

相続登記の添付書類として被相続人の住民票(除票)があります。住民票は被相続人が亡くなると除票となり、除票となってから5年が経過すると発行できなくなります。このような被相続人の住民票が発行されない場合には、上申書などの特別な添付書類が必要となるケースがありますので専門家に依頼されたほうがよいでしょう。

  1. 誰が不動産を相続するのがいいの?

相続が発生した際に被相続人の遺産をどのように分けるべきかは相続人全員の話し合いで決めていただくことになります。相続人全員が同意したのであれば法定相続分と異なる持分にて共有にすることも可能ですし、おひとりの方がすべて単独で相続することも、どのような分割方法も可能です。しかし将来のことを考えると、誰が不動産を相続すべきか検討が必要な場合もあります。

■不動産を共有にする場合

たとえば不動産を長男、二男、三男で3分の1ずつ相続して共有名義にしたとして、その数年後に三男が不動産を売却したいと言い出した場合、長男と二男は手放したくないというようなことになれば兄弟間で争いになってしまうでしょう。または兄弟3人は仲がよく、親の不動産を守るためにこのまま平等に共有の状態でよいと考えていたとしても、長男が亡くなり、その相続人である長男の妻や子が不動産の売却を希望するなら、やはりまた二男や三男との間で争いになるかもしれません。

■親を飛ばして子が相続する場合

たとえば父親が亡くなり、父親名義の建物がある場合、居住している母親か、最終的に引き継ぐ子か、どちらが相続するべきか、悩むことも多いでしょう。相続人同士の話し合いがまとまるのであれば、母親を飛ばして子の名義に相続登記をした方が手続き費用の節約にもなりますし、母親が認知症になり処分に困るようなこともなくなるでしょう。ただしまったく問題がないわけではありません。たとえば子名義に相続登記をした後に母親よりも先に子がその妻子を遺し亡くなってしまった場合、子の奥さん(又は子)がその家を相続することになり、母親が今後その家に住んでいられるかどうかは所有者となった子の奥さん(又は子)次第という状態になってしまう可能性があるのです。または相続税を検討する必要がある場合、小規模宅地等の特例や配偶者控除等の税務に関しても検討しなければなりません。

注意が必要なことは、一旦変更した名義は簡単には変えられないということです。正確に申し上げますと、名義変更自体は可能ですが不動産の名義変更に関しては多額の税金が発生しますので、実際問題として名義を簡単には変えられないのです。不動産名義の移動に関して税金があまりかからず柔軟な対応ができるのは相続のタイミングです。ぜひ専門家と一緒に進めることをお勧めいたします。

  1. 相続登記にはどのような書類が必要なの?

相続登記には3つのパターン(法定相続分による場合、遺言による場合、遺産分割協議による場合)がありますが、ここではもっともよくあるパターンである「遺産分割協議で決めた相続人が相続する」場合に必要となる書類についてご説明いたします。

不動産の所有者である父が亡くなり、その妻と子が相続人であるとき、妻と子の話し合いで妻が不動産を相続すると決まった場合の必要書類は次のようなものになります。

■亡き父・・・出生から死亡までの一連の戸籍、住民票の除票
■妻・・・・・戸籍、住民票、印鑑証明書、司法書士への委任状
■子・・・・・戸籍、印鑑証明書
■その他・・・遺産分割協議書、固定資産評価証明書

戸籍、住民票、固定資産評価証明書等は司法書士が職権で取り寄せすることも可能ですので、平日お時間がない方や管轄の役所が遠方で取り寄せが大変な方もご安心ください。

  1. 相続登記をすると費用はどのぐらいかかるの?

相続登記に関する費用には、①司法書士の報酬、②登録免許税、③各種実費の3種類があります。このうち②の登録免許税と③の各種実費は、どこの事務所に依頼してもご自身で手続きをする場合も同じですが、①の司法書士報酬は事務所ごとに異なるため、どこの事務所に依頼するかによって若干変動します。

① 司法書士の報酬 事務所ごとに自由に設定
② 登録免許税 相続による名義変更にかかる税金

税率は固定資産評価額の0.4%
③ 各種実費 戸籍等を取得するための実費や郵送実費など

通常、数千円程度

以上相続登記に関するよくある5つのご質問についてご説明いたしました。相続登記は一生のうちに何度も経験することではなく、手続きをする前にはいろいろな不安を感じられると思います。司法書士は相続登記の専門家です。みなさまの不安に思われることについて詳しいご説明をさせていただきますのでお気軽にご相談ください。

遺言作成とは?

一般的に遺言書は、自筆証書遺言又は公正証書遺言を利用することが多いです。自筆証書遺言というのは、自分で全文を書いて作成すればよく、証人なども必要ないため、すぐにとりかかれる“お手軽な”遺言と言えますが、デメリットも多い遺言方式です。確実に遺言内容を実現するためには、自筆証書遺言よりも公正証書遺言をお勧めいたします。

<遺言を書いた方がいい場合>

■将来相続争いが予想される場合
■内縁の妻
■熟年結婚
■生前に面倒を看てくれた子に多めに
 与えたい場合
■子の家が建っている土地があって
 それは確実にその子に与えたい場合
■子どもがおらず、配偶者と兄妹相続に
 なってしまう場合
■行方不明者や認知症の方や未成年者や
 外国在住の方が相続人にいる場合

  1. 自筆証書遺言の作成方法は?

自筆証書遺言の作成方法は、法律で定められています。まず、本文全文が自筆で書かれている必要があります。ワープロでうっていたり、他人に書いてもらったりしたものは、無効となります。なお、財産目録は自書によらない形式でも可能となりました。それでも、捺印等の要件があり、注意が必要です。また、本文には日付が記載されていなければいけません。日付の記載がないと、無効になります。記載があっても、「令和○年○月吉日」のように、特定ができないような記載であれば、これも無効です。特定ができれば、年月日の記載がなくても、問題ありません(「何歳の誕生日」など)。更に、押印が必要です。実印でなくても構いませんが、押印がなければ無効となります。遺言が複数枚にわたる場合には、押印した印鑑で、割り印(契印)をしておくとよいでしょう。書き損じた箇所があれば、その箇所にも訂正印を押し、その旨を記載することで訂正することができますが、後々の紛争を防止するためにも、全文を一から書き直したほうがよいでしょう。

■自筆証書遺言のデメリット

自筆証書遺言は、自分だけで作成することができます。よって、公証役場に依頼する必要がないため、費用もかかりません。しかし、下記のようなデメリットがあります。

①作成方法の不備で無効になることがある

自筆証書遺言の作成方法は、上記のように細かく要件が法律で定められており、方式違反によって無効となってしまうことが多々あります。また、自筆証書遺言は、公証人が関与しない遺言ですから、財産や当事者の特定が不十分であると、一部又は全部の内容について遺言が無効となり、実現されない場合があります。

②せっかくの想いが表現されていないことがある

自筆証書遺言は、ご自身のみで作成し専門家が携わらないことがあるため、インターネットや参考書等のシンプルな内容にとどまり、遺言者が本当にしたかったことがその遺言に表現されておらず、せっかくの想いが実現しないことがあります。

③遺言能力の有無が争いになることがある

遺言者が自筆での遺言を書いた時点で、本当に遺言をする能力があったのかが争いになる場合があります。たとえば、認知症などで遺言者には遺言をする能力がないにもかかわらず、相続人の主導のもとに強引に作成された遺言ではないか、などと争いになることがあります。この点、公正証書遺言の場合は、作成時に公証人が関与するため、遺言能力が争いになることは少ないと言えます。

④紛失や改ざんのおそれがある

遺言をしたのち、相続人に見られることのないように隠しておいたりすると、遺言者が亡くなった後に遺言書が見つからないという可能性があります。遺言書が見つからなければ、遺言を遺さなかったのと同じことになってしまいます。また、誰にでもわかる場所に保管しておくと、悪意のある相続人により、改ざんや破棄されてしまう可能性もあります。公正証書遺言の場合には、原本は公証役場に保管されますので、紛失や改ざんのおそれはありません。

⑤家庭裁判所での検認が必要

自筆証書遺言については、遺言者が法務局での遺言書保管制度を利用していない場合、遺言者が亡くなった後に、相続人が戸籍などの必要書類を揃えて、家庭裁判所へ「検認」の手続きを行わなければなりません。検認手続きを行わないと、銀行や不動産等の相続手続きは進められません。よって、自筆証書遺言の場合は、“お手軽な”遺言と上記で述べましたが、それは“遺言者にとってお手軽な”遺言ではあるが、相続人にとってはそうではありません。相続人が検認の手続きをご自身で行うことができ、財産の相続を期間的にゆとりのある状態で行うことができる場合、選択すべきだと考えます。なお、公正証書遺言の場合には、検認は必要ありませんので、相続発生後の相続人の負担は軽減されると言えます。

検認とは・・・

遺言書の状態や内容を確認して裁判所に記録を残し、後日遺言書が偽造や変造されることのないようにするための手続です。つまり、検認は証拠保全の手続きであり、検認を受けたからといって、元々の内容の不備が治癒されるわけではありません。遺言の方法には、公正証書遺言のほか、自筆証書遺言と秘密証書遺言という方法があります。公正証書遺言以外の遺言書については、家庭裁判所で検認の手続きをうけないと、相続登記や預貯金の名義変更などの各種相続手続きに使用することができません。

<必要書類>

家庭裁判所に遺言書の検認申立をする際には、
次のような書類が必要となります。

  1. 遺言者の住民票の除票
  2. 遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
  3. 相続人全員の戸籍謄本
  4. 相続人全員の住民票
  5. 遺言書原本(遺言書原本を裁判所に提出するのは、検認期日です。申立書には、コピーを 添付します。)

<提出先>
管轄の家庭裁判所
(遺言者の最後の住所地の家庭裁判所)

<相続人への検認期日の通知>
相続人に対して、検認期日通知書と出欠の確認用紙が送られてきます。検認期日は、申立てから 1ヶ月以上先の場合もあります。

<検認期日>
検認期日には、申立人の方に出席していただきます。相続人は出席しても欠席しても、検認の手続きは有効に行われます。期日には、裁判官が遺言の形状や状態について確認して、裁判所の記録に残します。

<検認済証明書の申請>
申立人の方には、検認が終わった後、「検認済証明」の申請をしていただきます。申請が受けつけられると、遺言書の末尾に「検認を終えたことを証明する」という証明文が付記されてます。この証明文が付されることにより、遺言書が相続登記などの各種相続手続きに使用できるようになります。

  1. 公正証書遺言はどうすればいいの?

以上のように、自筆証書遺言は、作成時にはお手軽に作成することができるのですが、やや確実性に欠け、遺された相続人にとっては手間のかかる遺言です。公正証書遺言は作成時に手間と費用がかかることが欠点ですが、お手間に関しては当事務所がお手伝いさせていただくことにより、ほとんどございません。また、費用に関しても、相続人の方が「検認」手続きをご自身でされない場合には、そちらで専門家の費用がかかってしまいますし、ましてや遺言の形式や内容の不備等で相続争いがおこるようなことがことがあれば、弁護士費用が何十万円、場合によっては何百万円もかかってしまいます。遺された相続人にとって、一番メリットがあるのは、公正証書であることは間違いありません。せっかくの遺言にかけた想いが相続人に届くようお手伝いさせていただきますので、当事務所へご相談ください。

相続放棄とは?

相続放棄は、相続人が遺産の相続権を放棄することをいいます。相続と聞くと、プラスの資産を相続することをイメージしがちですが、負債に関しても相続しなければなりません。よって、遺産相続をする上で資産と負債を併せて検討すべき、ということになります。このとき、相続する遺産に関して、次の場合に放棄を選択する方がいらっしゃいます。

<相続放棄を選択される方が多いケース>

■資産よりも負債の方が多い場合
■遺産の詳細が分からず、とりわけ承継したい
 めぼしい財産がない場合
■相続争い等の理由で、相続に関して
 関わりたくない場合

  1. 相続放棄をする上で何か注意点は?

まずは、申述期間があることです。基本的には相続の事実を知った時から3ヶ月以内に行わなければなりません。期間伸長も可能ですが、その場合も3ヶ月以内の間に伸長の申し出が必要となります。また、相続放棄の効果として、最初から相続人でなかったものとみなされることから、同順位又は次順位の方がいる場合は、その方にも影響がありますので注意が必要です。

家族信託とは?

家族信託とは、財産管理手法の1つとして、資産保有者(委任者)が契約によって、信頼できる相手(受託者)に対し、資産(不動産・預貯金・有価証券等)を移転し、一定の目的(信託目的)にそって、特定の人(受益者)のためにその資産を管理・処分することをいいます。つまり、「信頼できる家族や親族に自分の財産を託し、財産の管理や処分を任せる」ことができる制度です。家族信託の制度は、信託契約によって自由に内容を決めることができ、資産承継にも利用することができるので、制限の厳しい成年後見制度に代わる新しい制度として今、注目されています。

<家族信託を選択される方が多いケース>

■認知症やアルツハイマー
 などの病気により、
 財産の管理ができない
 ことに備えたい場合

■遺言では不可能な財産の
 継承方法を加えて
 おきたい場合

  1. 家族信託をする上で何か注意点は?

委託者(自分の持つ資産を託す人)と、受託者(資産を託されて信託の目的の中でその資産を管理・運用・処分をする人)、そして受益者(信託された資産から生まれる収益等の利益を受け取る人)との間で正しく取り決めを行うことが必要です。

■家族信託のメリット

  • 成年後見や遺言ではできない財産管理や財産の活用ができる
  • 自分が亡くなった後、次の相続についても決めることができる
  • 受託者の判断でいつでも銀行口座から出金できる
  • 受託者が破産等をしても信託した財産は守られて安心
  • 受託者への高額な報酬などが不要

■家族信託のデメリット

  • 引き受けてくれる家族がいないとできない
  • 複雑な制度なので、親に納得してもらうのが難しい

家族信託を使えば、何もかもできるわけではありませんが、うまく活用することによって今までの相続対策ではできなかったようなことができるようになります。まずはお気軽に当事務所へご相談ください。

成年後見とは?

認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。

<成年後見制度を選択される方が多いケース>

■認知症の親の施設代の支払いのため、
 親が所有する不動産を売却したい

■認知症の親の諸々の支払いを
 親の口座から支払いたい

■判断能力がない親が、変な契約を
 させられないようにしたい

  1. 成年後見人等の役割は何ですか?

成年後見人等は、本人の生活・医療・介護・福祉など、本人の身のまわりの事柄にも目を配りながら本人を保護・支援します。具体的には、本人の不動産や預貯金などの財産を管理したり、本人の希望や体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、介護契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。もっとも、食事の世話や実際の介護などは、一般に成年後見人等の職務ではありません。また、成年後見人等はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。

  1. 成年後見制度を利用する上で何か注意点はありますか?

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。制度によって、対象になる方の判断能力の状態や、代わりに行えることが異なります。まずは、制度の要件を満たしているかどうか判断することが必要です。また、成年後見制度は、あくまで本人の財産管理、身上看護を目的としております。面倒を看る方が自由に財産を扱える制度ではありませんので、ご注意ください。

  1. 法定後見制度とはどんな制度ですか?

本人の判断能力の程度に応じて、「後見」、「保佐」、「補助」の3つの制度が用意されています。「後見」、「保佐」、「補助」の主な違いは、次の表のとおりです。

  後見 保佐 補助
対象となる方 判断能力が
欠けているのが
通常の状態の方
判断能力が
著しく不十分な方
判断能力が
不十分な方
申立てをすることができる方 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長など
(注1)
成年後見人等の
同意が必要な行為
(注2) 民法13条1項
所定の行為
(注3)(注4)(注5)
申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める
「特定の法律行為」(民法13条1項所定の行為の一部)(注1)(注3)(注5)
取消しが可能な
行為
日常生活に関する
行為以外の行為
(注2)
同上
(注3)(注4)(注5)
同上
(注3)(注5)
成年後見人等に
与えられる代理権の範囲
財産に関する
すべての法律行為
申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」
(注3)
同左
(注3)

(注1)本人以外の方の申立てにより、保佐人に代理権を与える審判をする場合、本人の同意が必要になります。補助開始の審判や補助人に同意権・代理権を与える審判をする場合も同じです。
(注2)成年被後見人が契約等の法律行為(日常生活に関する行為を除きます。)をした場合には、仮に成年後見人の同意があったとしても、後で取り消すことができます。
(注3)民法13条1項では、借金、訴訟行為、相続の承認・放棄,新築・改築・増築などの行為が挙げられています。
(注4)家庭裁判所の審判により、民法13条1項所定の行為以外についても、同意権・取消権の範囲とすることができます。
(注5)日用品の購入など日常生活に関する行為は除かれます。

  1. 任意後見制度とはどんな制度ですか?

本人が十分な判断能力を有する時に、あらかじめ、任意後見人となる方や将来その方に委任する事務の内容を公正証書による契約で定めておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人が委任された事務を本人に代わって行う制度です。